Section 1: Where Does It All Begin?
Section 2: From Tail Wedge to Binding
Section 3: From Side Sanding Through Neck Fit
Section 4: Neck Carving through Neck and Body Sanding
Section 5: The Finishing Department
Section 6: Bull Buffing to Fretting
Section 7: Bridge Gluing to Shipping
The Finishing Department

ギターの塗装はとてもデリケートです。塗膜が厚すぎればギターの鳴りを殺してしまいますし、薄すぎれば湿度などからのダメージを受けやすくなります。
また、演奏方法、演奏する場所、保管場所などはプレイヤーによって千差万別です。我々は、塗装の方法に対して、絶えず研究と実験を重ね進化させ続けています。以下の写真は、現在のラリヴィーの塗装の様子です。


David applies wash coat to an OMV-09


Julio sprays the second wash coat onto an L-05

サンディングの仕上げが完了して塗装ブースに回ってきたネックとボディは、再度、ここでチェックされ問題が無ければ、いよいよ塗装作業が開始されます。最初に吹かれる塗料はシーラーです。このシーラー・コートは、材から出てくるヤニや油止めの意味とポリエステル塗装の剥離を防ぐ意味があります。
シーラー・コートは24時間かけて乾かされ、再びサンディング・セクションへ戻されてサンディングされ、またシーラー・コートが吹かれます。この工程は品質が完璧になるまで、繰り返し行われます。生産の遅れの原因になることもありますが、完璧な品質を追求する上では仕方がありません。


Pore filling a LV-09 neck

次に透明なポリエステル系のペースト(目止め)を特殊なスポンジに付けて手作業で塗っていき、最終的に毛羽立ちの無いペーパータオルで拭き取ります。この工程で完全な塗装面を作り出します。極僅かな経こみ等でも残れば、後々ピンホールなどの問題を引き起こしますので、慎重に進めます。


Baking a P-09 in the UV oven

ラリヴィーは、UV塗装を採用しています。UV塗装とは紫外線を照射することで塗装膜を硬化させる塗装技術です。従来のウレタン塗装などに比べて、硬度があり、滑らかで美しい透明感が特徴です。UV塗装ブースには、専用の紫外線照射ライトが8台備え付けられていて、効率よく照射されるようになっています。UV塗装は自体は25秒で完成してしまいます。
目止めされたボディは、また研磨されます。研磨作業は、次のコート面の密着を高めるために必ず必要な作業なのです。そして、ベース・コートのためのポリエステルが吹かれます。ベース・コートは時間を空けて3回吹かれます。その後、塗装が落ち着くまで数時間寝かせておきます。その後UV塗装ブースで硬化させます。


David applying base coat.

ベース・コートが完成したらまた研磨です。そして、最終塗膜面となるポリエステルのトップ・コートが吹かれます。但し、サンバースト・カラーになるボディは少し異なった工程になりますので、少々、説明しておきます。ボディは、コントロール・ルームに送れ、Wendyの手によってバインディングやロゼットの部分にカラーがかからないようにマスキング処理が行われます。


Wendy Larrivee taping off the back and sides of a D-60 Sunburst
(See those lovely A and F style mandolins in the background?)

マスキングされたボディは、塗装ブースに送られJeanの手によってカラーリングされていきます。よくユーザーから「サンバースト・カラーのギターは何故価格が異なるのか?」と質問されます。答えは簡単で、マスキング処理、カラーリング、マスキングを外しエッジ処理、スティールウール作業、タッチアップなどなどの手間がかかるからです。もしあなたがラリヴィーのサンバースト・ギターをお持ちでしたら、それはJeanがカラーリングしたギターです。サンバーストのカラーリングは全てJeanが行っています。


Jean spends a Sunday afternoon with some tobacco.

トップ・コートも3回吹かれ、そして再びUV塗装ブースで硬化されます。しかし、ネックにはトップ・コートを吹きません。ラリヴィーのネックは、サテン・フィニッシュ(艶消し)だからです。こうして塗装が終了するとコントロール・ルームで塗膜が安定するまで1〜2週間置いておきます。


Painted bodies drying in the climate room.
1 2 3 4 5 6 7 Next Page >