Section 1: Where Does It All Begin?
Section 2: From Tail Wedge to Binding
Section 3: From Side Sanding Through Neck Fit
Section 4: Neck Carving through Neck and Body Sanding
Section 5: The Finishing Department
Section 6: Bull Buffing to Fretting
Section 7: Bridge Gluing to Shipping
Where It All Begins

Larriveeはカナダのアコースティック・ギターとして 、多くのギタリストに親しまれてきたブランドです。しかし、最大の市場は常にアメリカにありました。生産拠点と最大の市場の間には、国境があり、ビジネスにとっては難しい問題もありました。
そこで我々は、アメリカにも生産拠点を置くことを決めたのです。場所は、ギター製作にとっての環境が良い場所を候補にあげ、最終的にカルフォルニア州のOxnard(オックスナード)に決めました。
ここは気候、物流の便利性、そしてライフスタイルなど全ておいて素晴らしい環境が整っています。こうしてカリフォルニア工場は、2001年9月1日に正式に始動しました。余談になりますが、あの9.11.の10日前のことです。

この新しいカリフォルニア工場で、我々は何を達成することができるのか?それは大きな挑戦であり、大きな楽しみでもありました。
カナダ工場で長年蓄積された経験と技術、そして素晴らしいギターはありましたが、この新しい工場は、完全にゼロからのスタートでした。我々がギターを製作するために使用する方法や手順を再度、見つめ直す良い機会でもあったのです。
誤解しないでください、この話は、“機械でギターを効率よく生産する”といったことではありません。その全く逆の話です。本当の意味でワールドクラスのハンドメイド・アコースティック・ギターを作り出すための、手工の方法を再構築したのです。ボディ製作、木材のカット、ネック接合など細かく部門ごとにエリアを構築し、さらに、バフの掛け方、塗装の方法など、あらゆることを見直しました。
カリフォルニア工場は16,000スクエアフィートの敷地を有し、最新の塗装ブースと、温度と湿度の管理が行えるコントロール・ルームを2部屋新設しました。


The "1070 Yarnell Place" Guitar Shop.

初めに行う工程は、木材をカットすることです。下の写真は、Jean自身と息子のMatthewがキルテッド・マホガニーをカットしている場面です。工場を訪れた人々は、実際にLarriveeファミリーが楽器製作の工程に深く携わっている様子を見て驚きます。しかし、ラリヴィーにとっては当たり前のことです。そして、今日もJean、Matthew、John Jr、そしてWendyは、ギター製作に取り組んでいるはずです。


Jean Larrivee and son Matthew resawing quilted mahogany.

サイド材とバック材を同じ木材から採ることは不可能です。それは明らかにサイズが異なるからです。大量にストックされているサイド材とバック材の中から最適なマッチングを見付け出す作業は大変です。木目のパターン、色彩、密度など、細心の注意が必要となります。そうした作業の中からマッチングさせたサイドとバックに、今度は、最もマッチするサウンド・ボード(トップ材)を見つける作業を行います。


Master Grade Parlor Soundboards Ready to match

選ばれたサウンド・ボートとバックは、コントロール・ルームに送られます。このコントロール・ルームは、摂氏約21度、湿度42%に管理されています。ラリヴィーは、湿度42%でギターを製作します。湿度40%で管理するギター・メーカーもあるようですが、我々は42%がベストだと考えています。材の全体に空気が循環できるように特別にデザインされたラックに積み重ね、約1週間から2週間かけて材を順応させていきます。この順応作業が、ギター製作においてとても重要なポイントです。この順応作業が正確に行われていないギターは、演奏性、耐久性、そして音質において楽器としての資質を満たしていない粗悪品となってしまいます。


In the background, Carlos loads backs into the acclimatizing rack.

コントロール・ルームの中でサウンド・ボードとバック材に問題がなければ、サイド材の曲げ作業に入ります。サイド材の曲げ作業は、熱と蒸気を利用して行われます。ウエストの曲げは、ホット・パイプを利用して手作業で行われ、次に124度に熱しられたカスタム・メイドの鉄製の曲げ型アイロンで、ボディの形状を曲げていきます。この曲げ型は、非常に早く熱し、木材の繊維に対して理想的な速度で冷えて行きます。この方法は、水蒸気が木の繊維を柔軟にし、冷えると再び木の繊維がかたく元に戻る性質を利用したものです。この方法は、ウッド・バインディングの曲げにも利用します。


Bending the waist on an OM-05


Bending the lower bout of an OM-05

曲げ作業が完了したサイドは、正しい長さに整えられた後、サウス・アメリカン・マホガニーのヘッド・ブロックと、バルチック・バーチのテイル・ブロックが取り付けられます。テイル・ブロックのバルチック・バーチは、ラリヴィー・ギターで使用されている木材で唯一のラミネート材です。これはコスト削減のためではありません。このバーチ材は、クロスハッチ合板でとても頑丈にできています。ラリヴィーを購入されたギタリストは、後でエンドピンを付けたり、エンドピン・ジャックを利用したピックアップを取り付けたりするかもしれません。この時にソリッド・ウッドでは割れたりする問題を起こします。ラリヴィーは、購入後のことも考慮して、トーンに悪影響を与えず、耐久性に優れたテイル・ブロックを採用しているのです。


Gil is gluing the sides together into a frame

サイドの形成が完了した時点で、低音側(6弦側)の内側には、薄いブラック・ファイバー・パッチを接着します。これは将来的にプリアンプを増設してエレクトリック・アコースティック・ギターに改造する場合に、ギターを保護する意味を持っています。次にアフリカン・マホガニーを採用した蛇腹状のカーフリングをトップ面とバック面に取付けていきます。カーフリングを取付ける目的は、サウンドボード(トップ板)とバック板を取り付ける際の接着面積を大きくすることとサイド板の強度を高めるためです。写真のように専用のクランプを用いて止めていきます。


Kerfing being glued into a OOO-60 with various clamps

カーフリングが取り付けられたフレーム(サイド板)は、サンディング処理され、打痕や傷、隙間がないかなど厳しくチェックされます。3種類のサンド・ペーパーで丁寧に磨かれ、隙間や小さな傷も全てこの時点で修正されていきます。


Paula sands the frame of an L-09 with 240 grit sand paper.

フレームにトップ板とバック板を接着するため準備をします。先ずカーフリングの表面を磨き、その後フレームは専用の型に収められます。トップ面側を平らなサンダーで、バック面側をボウル型のサンダーで処理を行い、それぞれ形状を整えます。


Loading an L-09 Frame into a mold.


Frame Sanders (Right hand side is flat, Left hand side is arched).
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