Section 1: Where Does It All Begin?
Section 2: From Tail Wedge to Binding
Section 3: From Side Sanding Through Neck Fit
Section 4: Neck Carving through Neck and Body Sanding
Section 5: The Finishing Department
Section 6: Bull Buffing to Fretting
Section 7: Bridge Gluing to Shipping
From Side Sanding Through Neck Fit

ボディ・サイドをベルト・サンダーでサンディングしていきます。最初に60番、次に120番とサンド・ペーパーの番手を変えて行っていきます。この時点で、表面の余分な接着物や汚れが取り除かれます。ちなみにボディはサンディング終了後、3日以内に塗装ブースへ入れられます。


Sanding of an L-09 Koa Limited Edition, with Sergio sanding mandolins in the background.

ロゼットの最終的な仕上げを行います。モデルごとにヘリンボーンやアバロン・インレイなど素材は異なります。ボディ外周に沿ってアバロン・インレイを入れていく作業は、とても神経と労力を必要とする難しい作業です。


Robert inlays abalone strips around the perimeter of an LV-10

ロゼットとパーフリングの作業が終わると、サウンドボードとバックのサンディングの工程です。ストローク・サンダーでフラットな面をサンディングし、オービット・サンダーで最終的な仕上げを行っていきます。


Robert Sands the Back of an L-09K Special Edition.

ボディとネックをセットする工程に移っていきます。ラリヴィーのネックには、伝統的なボリュートのデザインを残してあります。このボリュートとチューナーの穴加工は最初にCNCルーターで加工し、最終的に手作業で仕上げられていきます。


Cutting the slots on OOO-60 Necks using the CNC machine

ラリヴィー・ギターのネックセットの方式は、ダヴテイル・ジョイントを採用しています。ダヴテイル・ジョイントとは、ネック側に鳩の尾の形をした突起を作りボディ側のキャビティに入れていく、ありつぎ工法のことです。ネックとボディの結合は、ギター製作の中でも一番気を使う箇所です。

ボディ側にジグをあてて慎重にダヴテイルのキャビティ加工を行います。荒削りが終わるとヤスリやサンド・ペーパーなどを用いてまっすぐなエッジ、完全な平ら出しを行います。この精度がとても重要になります。ボディとネックの結合面積を最大限に取るために、ラリヴィーのダヴテイルは独自のサイズに設計されています。


Routing the body of a guitar

もしかすると「全てのギターは何時か必ずネックの交換が必要になる」と言ってダヴテイル・ジョイントに否定的な話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、その話は完全な間違いです。完全な精度を持って結合されているダヴテイル・ジョイントとトラスロッドが仕込まれたネックを持っているラリヴィー・ギターには当てはまりません。弦の張力によってネックセット角度が変わると聞きますが、そんなことはありません。余程の外部圧力がかからない限りそのようなことは起きません。


Setting the angle and tilt of the neck

ネック・アングルの問題は、最初から正しくセットされていないギターに起こることだと考えています。正直な話、我々は40年以上の歴史の中で、11万本以上のギターを世に送り出して、ネックをリセットしたのは25本に満たない数です。我々は、この数値を問題ない数値だと考えています。また、ネック・アングルの問題の大多数は、保管状況や湿度管理の問題で引き起こされています。一つの例として挙げますが、極度の乾燥状態の中では、サンドボードが経こんできます。よく言われるサウンドボードが下がった状態です。これに伴いブリッジも下がります。最大では3mm以上も下がります。これがネック・アングルの変化だと言われます。しかし、誤解しないでください。この場合でもダヴテイル・ジョイントされたネック自体のアングルは変化してないのです。

Routing the neck to perfectly fit the body

話が横道にそれました。ダヴテイルのネック側の話に戻します。オリジナルのジグ、サンダー、ヤスリを用いて、角度、隙間の調整を丹念に何回もきっちりと合うまで繰り返して行います。ブリッジとの角度、センター出しなど入念に調整が行われます。まさにラリヴィーのセット方法は、ハンドフィット・ダヴテイル・ネックジョイントと呼べるものです。


Routing the neck to perfectly fit the body

ネックに指板を接着している様子です。クランプを使用して接着します。


Robert gluing the fingerboard on to a neck
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